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ストーリーアクティビティツアー伊豆の自然を体験しよう

SANKAKU STAND・修善寺ヒュッテを伊豆で始めた山崎和可奈さん・翔悟さんに聞く、伊豆の魅力と伊豆で活動する理由

伊豆市の豊かな自然のなかで事業活動するみなさんに【アクティビティ】【文化】【自然】 の観点から、その魅力を伺いご紹介してまいります。

第五回のインタビューはアウトドアショップSANKAKU STANDゲストハウス修善寺ヒュッテを運営する傍ら、『山好き移住者の日記 by もじゃまる』としてYouTuberとしても人気の山崎和可奈さん・翔悟さんお二人にお話をお伺いしました。

この記事の作者

  • 武智一雄

右が『まる』こと和可奈さん、左が『もじゃ』こと翔悟さん。仕事も趣味も共通で、まさに仲良し夫婦。

夢の実現のために移住地を探した結果、伊豆じゃなくても可能なビジネスでありながらも伊豆を選択した理由、伊豆じゃなきゃならない理由を探ってみました。

Q:翔悟さん、あ、もじゃさんで良いですか?

もじゃ&まる:どうぞ!

 

Q:じゃあ、もじゃさん、まるさん、お二人が伊豆に来る前までの流れをざっくりとお話していただけますか?

もじゃ:大阪出身で、大学時代はバックパッカーをしたりしていましたが、卒業してモンベルに就職しました。仕事は楽しくて、充実していました。そんななかで、ゆくゆくは何かしたいっていう気持ちはありましたね。

まる:わたしは北海道の旭川生まれで、関西に大学に行き、その後、モンベルで4年間働いてました。楽しかったし、定年まで働くんだろうなぁと漠然と思っていました。
高校のときから山岳部で、もともと登山は好きだったんですが、仕事を通じて、いろいろなアウトドアアクティビティにも出会い、もっと外の世界に出てみたいと思うようになっていきました。

住宅地の中に駐車場もない宿泊施設の修善寺ヒュッテ。山小屋コンセプトに沿って、徒歩での来館、夜の消灯時間ルールなどを上手に活かしている。

 

Q:え?独立する年齢、早いですね。独立を考えたのはなぜですか?

もじゃ:高校生の頃、何かの本で読んだのかな。
やりたいことリストを作ったんです。
その中に『お店をやりたい』というのと『宿をやりたい』というのがあって。

 

モンベルで働いていた頃から、ふたりの共通の趣味はもちろん登山。すぐにフィールドにアクセスできる場所で働きたいという思いがありました。

Q:それで独立!?すごっ!

もじゃ:でも、最初から独立して店や宿をやるために移住を考え始めたということでもなくて、自分たちが楽しめるフィールドの近くにモンベルストアがあれば、転勤したいなぁくらいの感じでしたね。

まる:長野や新潟のモンベルストアの近くに山登り旅行を兼ねて、見にいったり。
でも、そういうところって山登りにはすごく良いけど、生活するにはちょっと不便かもしれないという場所じゃないですか。スーパーが遠くに一軒しかないとか。病院が遠いとか。

もじゃ:長野、山梨の山岳エリアは仕事の前に軽く登るというような手軽さは、さすがにないですよね。

 

Q:伊豆に比べれば、ガチですよね。なるほど、山だけじゃなく、街も見ているうちにだんだん移住地を選ぶ視点になっていったというか、暮らすとか仕事をするための条件が明確になったというか。

まる:そうですね。その旅行がてら、旅行先で移住相談窓口に行ってみるようにもなって。で、ある時、新潟県の地域の相談窓口で天気の話をされたんです。曇りが多いですよ、冬は雪が降っていることが多いですよと言われ。

もじゃ:太平洋側の方が青天率が高そうじゃないですか。

 

Q:たしかにそういうイメージありますよね!(※ちなみに昼間の晴れた時間ランキングでは静岡県は10位、1位は山梨県。2022年ウェザーニュース)
で、徐々に移住候補地選び視点が明確になってきて、フィールド以外の生活面も気にするようになってきたと。
とは言え、伊豆じゃなくても、というのはあるじゃないですか?もともと住んでいた関西からの移住なら、和歌山だったり、関東なら房総とかも良さそうだし。

もじゃ:気候も良くて、自然も豊かなところはどこか?という視点から全部の県で移住先を探して見ようと、有楽町にある移住相談窓口、ふるさと回帰センターに行ってみたら、静岡県の担当の方に、萬城の滝とか逹磨山の風景が入ったPRビデオを見せてもらって。
伊豆の人、それこそ先輩移住者のホステルノットさん(修善寺にあるゲストハウス。2018年オープン)、quizの飯倉さん(伊豆市を拠点とする地域活性NPO代表)とかを紹介してもらって。

まる:で、実際に来て、みなさんに会ってみたら、紹介してもらった人以外にもすごく良い人ばかりで。それで、車を借りて1日回ってみたら、コンパクトなエリアのなかに海も山もあって、富士山も見られて。

もじゃ:来てみて、プラスで良かったのは温泉ですね。僕ら、山行くときに温泉と食事も大切にしてるので。

まる: そう!ご飯!!伊豆のご飯は海の幸も山の幸もたくさんあって!!

もじゃ:伊豆にいるとき、彼女が本当にずっと楽しそうな笑顔だったんですよね!
それは移住の決め手になったかなぁ。

 

Q:最高じゃないですか!飯は何が旨かったですか?

もじゃ:アジフライ、感動しました!こんな厚いアジフライ、大阪では見たことなかったですよ!

まる:わさび!滝尻わさび園さんで、ワサビ田を見学させてもらって、わさびご飯をご馳走になったのですが、本当に美味しかったです!

 

Q:人と飯が良いって、そりゃ間違いないですね!
んでんで、じゃあ、移住を決意したとして、さて、お仕事はどうしましょう?ですよね?

もじゃ:公共交通の便や山へのアクセスも考えて、修善寺駅エリアか修善寺の温泉場に店を持ちたいとは思うようになって。それで、会社に辞表を出したのが令和元年で。

まる:そこから、例のウイルスが始まって・・・

もじゃ:でも、もう引越しを決めて、こっちに来ていたのですが、コロナが蔓延したのと、家の審査が通らなかったので、車中泊をしながら・・・
引越し屋さんから『荷物はどこに届けたらいいですか?』と何度も電話が来たのですが、なんとかごまかしたりして・・・
そんな中で、家を貸してくださる方がいたり、店舗の物件も不動産屋さんが僕らのことを気にかけてくれて、素晴らしい大家さんを紹介してくれたりで、本当にみなさんに助けてもらいました。

まる:最初から、よそ者的な扱いをされなくて、受け入れてもらって、本当に感謝しています。田舎に移住すると、よそ者出て行けみたいな話ってあるじゃないですか?しかも、タイミング的にも微妙なときだったのに、全然そんなことなくて。

 

Q:なんとなくですが、伊豆は移住者だけのコミュニティじゃなくて、地元の人とも交流されたりしていて、いいバランスというか、元々伊豆自体がそういう分断があまりない感じはしますね。
たしか、その頃にYouTube始めたんじゃなかったでしたっけ?噂では聞いてましたよ。なんか、宿なしアウトドアYouTuberがいる的な・・・

とりあえず初めてみたというYouTubeも今や登録者が8万3千人を超え、お客様との重要なコミュニケーションツールになっています。

もじゃ:そうなんですよ。ホント、何もできなかったんで、とりあえずお金も掛からないし、YouTubeやSNSをやってみようという感じで。
前職で得たアウトドアそのものの知識やギアの知識のなかで、視聴者の方はここは知りたいだろうなとかいう肌感覚は持っていたので。

 

アウトドアショップSANKAKU STANDは2021年5月にオープン。開店当初より、店舗面積も広げ、今は2階まで商品が並ぶ。

そういったことや伊豆の山のことなどを配信していくうちに徐々にファンの方がついてきてくださった感じです。
しかも、開店資金はYouTubeのファンの方にクラウドファンディングで支援していただいたり。伊豆市の市役所の方は開業のための補助金のことを教えてもらったりだけじゃなくて、土日にお店のリノベーションに手伝いに来てくれた方も何人もいて。

 

スタッフの接客も親切、丁寧。スタッフのひとりも移住してきて今や伊豆市民だそうです。

Q:すごい!!
それはお二人が良い人だから、良い人が寄ってくるんですよ!
その証拠に俺には会ってなかったし・・・
というのはさておき、今後、これからのさらなる展望はあります?

もじゃ:お店を3年やってみて、人材的にも資金的にも安定してきたので、ここで宿(修善寺ヒュッテ)を始めました。
同じ趣味で、同じ体験があると、仲間になれるので、そういう場所を作りたいと思って、安価で快適な宿にしています。

 

伊豆の魅力、修善寺の魅力のひとつに美味しいご飯をあげるお二人。

食事の提供はやらないのかって、よく聞かれますが、近くにおいしいお店はたくさんあるし、山歩きが好きな人は温泉場まで歩くのもいとわないので、ここでは泊まって交流してもらって、どんどん街に出て欲しいなって思ってます。

 

Q:そんなゲストの方々含め、ぜひ、見て欲しい伊豆のオススメの景色ってどこですか?

まる:金冠山!!逹磨山!!
金冠山からの駿河湾、富士山までの稜線の景色は大好きです!

もじゃ:伊豆の低山帯はまだまだ楽しめる要素はあります。最近、ロングトレイルがブームになりつつあるんですが、下田から御瀬埼までの120kmくらいのコースがあって、海も近くて、山も登れる、伊豆景色をギュッと満喫できるコースがあるんで、キャッチーな名前が付いたりしたら、もっとブレイクすると思ってます!

まるさんが好きな金冠山での一枚。ここからの景色で伊豆魅力に惚れ込んだそう。

伊豆半島の西の低山ロングトレイル。仲間内での評判も高く、今後のブランディングや情報発信次第では多くの方を楽しませられるポテンシャルを感じさせるコースです。

 

お二人のyoutubeとInstagramはこちら↓

山好き移住者の日記 by もじゃまる

山好き夫婦もじゃまる Instagram

 


 

編集後記

常に笑顔で、やわらかな語り口にナイスな人柄がにじみ出ていましたが、時折、『さっきの話ですが』とか『付け加えますが』というように、しっかりと自分の考えを伝えようとしてくださる姿勢に意思の強さを感じました。
ファンやコミュニティを大切にするビジネルモデルを運営しながら、あくせくしないライフスタイルを満喫するなら、ちょうど良い田舎、ちょうどいい自然、伊豆市ってホントにちょうど良いかも。

 

写真・文:武智一雄

伊豆市の隣の伊東市在住のフォトグラファーで海の環境保全を目的とする

一般社団法人サバーソニック&アジロックフェスティバルの提督(代表理事)。

伊豆市には親戚や友人も多く、幼少期から馴染みが深く、好きな場所でした。

また、修善寺を2拠点生活の拠点としていたので、伊豆の内側と外側の両方の視点からインタビューを目指しています。

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