【ロングコース】修善寺:密教と武士の歴史を辿るウォーキングルート(ファヴァロ・マルコ監修)
歴史に満ちた伊豆市、修善寺。
弘法大師が仏教を広め、源頼朝や源頼家、北条家が武家の運命を刻みつけた地。さらに、明治・大正の文豪たちが何度も足を運び、その静けさと情熱に心を揺さぶられた場所。
創世と裏切り、陰謀と後悔——歴史が織りなす陰と陽が交差する町。
なぜ修善寺は、これほどまでに多くの人を惹きつけ、時に狂わせ、それでもなお優しく包み込んできたのか。
それは、人間が求めてやまない癒しが、ここにあるからです。
地中から湧き出る豊かな温泉。
澄みきった湯に身を沈めれば、心のざわめきもそっと溶けていく。
戦に疲れた武士たち、都会の喧騒を離れたい人々、ゆっくりと自分と向き合いたい旅人たちにとって、ここはまさにオアシスなのです。
そんな修善寺の魅力を歩きながら発見する、2つの特別なコース(ロングコースとショートコース)をご用意しました。
歴史の鼓動を感じながら、新たな旅に出かけましょう。
この記事の作成者:ファヴァロ・マルコ
伊豆市地域おこし協力隊
ルート概要
- 合計距離:15.3km
- 体力レベル:★★★☆☆
- 難易度:★★☆☆☆
- コースタイム:5時間程度
修善寺からスタートです!
愛童将軍地蔵
修禅寺に幽閉されていた鎌倉二代将軍・源頼家が非業の死を遂げたことを知った地元の人々によって建てられた笠冠地蔵。幽閉されていた頼家は、修禅寺の山を下り、里の子どもたちと遊ぶことがあった。そのひとときの中で、鎌倉に残した息子・一幡を想っていたと伝えられている。23歳の若さで無残に暗殺されたことを知った里の人たちはとても悲しみ、浄財を集めて月見ヶ丘に地蔵を建立しました。
横瀬八幡神社
横瀬八幡神社は、古来より厚く尊崇されている神社で、祭神は不詳、相殿(あいどの)は鎌倉二代将軍・源頼家公。境内には、頼家公の母・北条政子の悪病平癒の伝説を持つ『孔門石(紅門石)』または『玉門石』と呼ばれる、女陰の石尊がまつられており、女性特有の病や子宝開運のご利益があると言われている。神社を守る狛犬は独特な風貌をしており、一般的な狛犬とは異なる。カエルやナマズのような姿をしていることから、多くの参拝者に親しまれている。
日枝神社
日枝神社は、源範頼が幽閉され、暗殺された場所だ。夜になると、赤い色に染まり、悲しさは表現されている。境内には、幹回り約5.5m、高さ約25mの「一位樫」がそびえ立っている。また、2本の杉の根元が一つになった樹齢800年以上の「夫婦杉」もあり、日枝神社は子宝祈願の神社としても有名。
修禅寺
修禅寺は、修善寺温泉の温泉街の中心的な存在。807年に、密教を広めた弘法大師によって開かれたとされます。鎌倉時代(12世紀)には、武家初の政権を築いた北条氏の勢力が拡大した。しかし、その一方で、悲劇の舞台ともなった。武家の熾烈な権力争いにより、多くの武士が命を落とした場所でもある。特に源氏一族の争いの舞台となり、「源氏滅亡の地」として知られている。
独鈷の湯
独鈷の湯の歴史は長く、弘法大師が修善寺を訪れた際に、少年が病の父の体を川の水で流しているのを見て、霊泉を湧き出させたそうだ。この場所から修善寺温泉の歴史が始まったと言っても過言ではない。
竹林の小道
美しい竹林で日本の侘び寂びを感じる場所だ。
指月殿(しげつでん)
指月殿は、1204年に暗殺された鎌倉幕府二代将軍・源頼家の冥福を祈り、母・北条政子が建立した寺院とされている。伊豆最古の木造建築とされ、堂内には釈迦如来坐像が安置されている。
源範頼(みなものとののりより)の墓
修善寺は、源頼朝の弟・範頼が自害に追い込まれ、源頼家が暗殺された地として知られている。そのため、源範頼の墓や頼家の墓が有名。
ジオリア(伊豆半島ジオパークミュージアム)
伊豆半島はユネスコ世界ジオパークに認定されている。ジオリアは、その起源や地質を紹介する人気の施設。伊豆半島は、ダイナミックな地形や豊富な温泉、わさび・みかん栽培に適した風土を持っている。ジオリアでは、伊豆半島を形作った海底火山や地球の営みについて知ることができる。
昌徳院
伊豆市爪生野地区にある寺院で、伊豆中道三十三観音霊場の一つに数えられる。また、菩薩や地蔵群が安置されていることでも知られている。伊豆と三島を結ぶ古道「駿豆両国横道」沿いに位置している。駿豆両国横道は、弘法大師の時代から続く歴史ある道。江戸時代には巡礼の道として栄え、特に女性たちに親しまれていた。
大仁鉱山(大仁金山)跡
伊豆半島の金は、海底火山の活動によって生まれた。伊豆半島には金山が多く、大仁金山もその一つ。16世紀に発見された金脈は江戸幕府の管轄下に置かれ、長年にわたり幕府の財政を支えた。1973年に閉山。
狩野川ウオーキングロード(全3.5km)
伊豆の人気のウォーキングコース。春になると、桜が咲き乱れる。
水晶山
標高67mの小さな山ですが、高温の地下水に含まれていた石英が水晶として結晶化したため、かつては水晶が採れていた。対岸に大仁金山がある。
大仁神社
806年から810年の間に創建された神社で、地元の人々に親しまれている。毎年11月3日の例大祭では、伝統芸能「種蒔三番叟(たねまきさんばそう)」が奉納される。この舞は、無形民俗文化財に指定されている。
修善寺駅でゴール!
お疲れ様でした!
以上、そんな修善寺の魅力を歩きながら発見する、密教と武士の歴史を辿るウォーキングルート(ロングコース)でした!
関連する記事
- ルート伊豆の自然を体験しよう 【初中級】伊豆・湯ヶ島七福神ご利益サイクリングルート(ファヴァロ・マルコ監修)
昔から人は病や悩み、または苦しい生活から逃れたく、さまざまな形で幸せを探し求めていました。
七福神が祀られているお寺を巡ることはその一つです。
七福神を巡ると七難即滅七福即生のご利益があるといわれ、今回のルートでは、天城湯ヶ島地区にあるお寺を訪れ、幸せを巡る旅を提案します。旅の後半に東京ラスク伊豆ファクトリーでの休憩はおすすめいたします。
ラスクの甘い香りに包まれ、コーヒーもいただけます。
時間に余裕があるとラスク作り体験ができ、パン作り体験(限定日のみ要予約)もあります。サイクリングの最後は修善寺温泉でパワースポットとして有名な修禅寺を訪れ、足湯で疲れを癒し、1日中ご利益を満喫します。
【注意点】
・必ず施錠できる鍵をご持参ください。
・歩きやすいシューズのご使用をお勧めします。この記事の作成者:ファヴァロ・マルコ
伊豆市地域おこし協力隊(自転車普及活用担当) - ルート伊豆の自然を体験しよう 【初中級】伊豆・天城湯ヶ島文豪たちの旅 サイクリングルート(ファヴァロ・マルコ監修)
昔から大都会の忙しさから離れたく、静けさを求める多くの文豪たちは伊豆市を訪れました。
修善寺地区は夏目漱石、井伏鱒二などの文豪が滞在した有名な温泉街です。
また、天城湯ヶ島温泉地区も川端康成の滞在地として有名です。
今回のルートは、文豪たちが愛した地域を巡るものです。ぜひ、小説を片手に文豪たちが愛した天城湯ヶ島温泉と修善寺温泉をお楽しみください。
【注意点】
・必ず施錠できる鍵をご持参ください。この記事の作成者:ファヴァロ・マルコ
伊豆市地域おこし協力隊(自転車普及活用担当) - ルート伊豆の自然を体験しよう 【中級】伊豆・天城山隧道・浄蓮の滝ライドサイクリングルート(ファヴァロ・マルコ監修)
水源の都、伊豆市。
標高1000mを超える天城連山に囲まれ、伊豆半島にぶつかる暖かい海流の影響により、わさび生産に必要な恵みの雨がよく降ります。
そのおかげで伊豆市は例を見ない滝の宝庫でもあります。
このライドでは浄蓮の滝と歴史的価値のある旧天城トンネルを愛でるルートです。この記事の作成者:ファヴァロ・マルコ
記事を読む
伊豆市地域おこし協力隊(自転車普及活用担当) - ルート伊豆の自然を体験しよう 【中級】伊豆・国士峠・わさびサイクリングルート(ファヴァロ・マルコ監修)
伊豆は世界に誇るわさびの生産地で有名な地域です。
豊かな水源と温泉が湧き出ることで多くの文豪を呼びつけました。
本コースでは本格的な国士峠でのヒルクライムを体験しながら、サイクリストの間で有名な明徳寺、しろばんばの舞台で有名な上(かみ)の家を通るルートです。
後半にはわさび棚田がひしめく筏場のわさび田(いかだばのわさびだ)を巡って、最後は修善寺駅に戻ってきます。この記事の作成者:ファヴァロ・マルコ
記事を読む
伊豆市地域おこし協力隊(自転車普及活用担当)