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SOTOE千葉さんと佐藤さんに聞く伊豆市の魅力 ちょうどいい田舎とは?

伊豆市の豊かな自然のなかで事業活動するみなさんに【アクティビティ】【文化】【自然】 の観点から、その魅力を伺いご紹介してまいります。

第一回のインタビューは IZU TRAIL Journey の代表を務める千葉さんと伊豆市に移住してきたスタッフの佐藤さん。
挑戦を続ける二人からはどんなお話が聞けるのか楽しみです。

この記事の作者

  • 武智一雄

紹介されているスポット

修善寺温泉のランドマークである赤い橋のすぐそばにあるITJ BASE。2021年12月にオープンしたカフェも併設された宿泊施設。

日本に、いや、世界に誇る温泉街、修善寺。

まさにその修善寺温泉の中心地に位置するゲストハウスITJ BASE Shuzenjiを訪ね、千葉達雄さんにお話を伺いました。

千葉さんは、このゲストハウスの運営はもちろん、トレイルランニングレース「IZU TRAIL Journey」を主催する

株式会社ソトエの代表取締役社長であり、他にも国内の多くのトレイルランニングレースに関わっています。

千葉さんが始められた「伊豆トレイルジャーニー」。2013年に開始され、今では国内屈指のトレイルランニングレースとなっています。(SOTOE提供)

自然を活かした事業を通じて、自然と共生する文化を定着させるという夢を持つ千葉さんと、

今年、伊豆市に移住したばかりのソトエのスタッフ、佐藤さんにご自身が感じる地域の魅力や、

〈IZU TRAIL Journey〉を実施する理由などを伺ってみました!

地元育ちの千葉さん。伊豆市内のみならず、伊豆半島の各所の魅力を語ってくれました。

Q:まずは千葉さん、伊豆半島の魅力について教えてください。

コンパクトに自然の魅力が詰まっていますね。

山と海の距離が近く、こんな山奥に感じる修善寺でも海までは直線距離でたったの5kmです。

また、このあたりと南伊豆とでは大きく植生も異なり、自然だけでなく、住んでいる人々の多様性もあります。

例えば言葉ひとつ取っても違いがみられます。

小さな半島ですが、多様性が大きな魅力ですね。

また、日本一高い富士山と日本一深い駿河湾を同時に一望でき、

景色についてもさまざまな表情が見られることも大きな魅力だと感じています。

 

Q:伊豆市に限定する前に、千葉さんが伊豆半島で好きな景色はどちらですか?

南伊豆歩道ですね。下田市、松崎町、南伊豆町にまたがるトレッキングコースで、

沿岸の照葉樹林やジャングルのような場所もあり、海岸の景観も絶景です。

ぜひ、訪れてみてください。

千葉さんイチオシは南伊豆歩道から見える絶景。トレランだけでなく、ハイキングにもオススメ。(SOTOE提供)

撮影は千葉さん。
とても風が強い日もあるので、天候にもしっかりと気をつけましょう。(SOTOE提供)

Q:行ってみたいですね。では、伊豆半島のみならず、さまざまなトレイルランニングレースや旅行などで日本の各地を熟知している千葉さんがここ、伊豆市内で一推しの景色はどちらですか?

天城は大好きです。天城トンネルから仁科峠あたりのブナ林の雰囲気が好きで、

霧がかったときなどはとても素晴らしいですよ。

天城界隈は実は滝がたくさんあって、飽きさせない風景がたくさんあります。

景色そのものはもちろんですが、首都圏からのアクセスが便利で、首都圏との二拠点生活にも適している場所だと思います。

 

 

Q:ありがとうございます。佐藤さんはいかがですか?

滑沢渓谷には感動しました。また、天城の太郎杉にも圧倒されました。

伊豆のジオパークとしても人気の滑沢渓谷。天城峠の北側にあり、深い樹林に包まれた渓谷。(SOTOE提供)

撮影は佐藤さん。
竜姿の滝(りゅうしのたき)。ここから遊歩道を行くと太郎杉も見られます。(SOTOE提供)

Q:ちなみに伊豆に住んだきっかけや経緯はどのようなものですか?

実は、以前は船乗りをしていました。

 

 

Q:え?船乗り?

はい、クルーズ船での仕事をしていて、日本のいろいろな場所に行かせてもらいました。

結婚を機に移住を考えたのですが、実は伊豆諸島の八丈島に住みたいなぁと思ったんです。

もちろん、離島には離島ならではのメリットとデメリットがありますが、

将来的には農業もしてみたいので、育てられる作物もこちらの方が適しているかなと思いました。

 

佐藤さんは全国津々浦々から、居住の地として伊豆市を選んだそうです。その経緯もなんともおもしろい!!

Q:でも、農業を考えたとしても、日本中に候補地はたくさんありますよね?なぜ伊豆を選んだのですか?

きっかけは少し変わっているかもしれませんが、伊豆諸島と同じ名前がついている伊豆半島に目を向けてみました。

以前の仕事でも様々な地域に行き、民間の方とも行政の方ともお話させていただく機会があったのですが、

伊豆市の市役所の方の対応や住んでいる方々の雰囲気が良かったので、伊豆を選びました。

私と夫の両親は関東に住んでいるので、アクセスも大変ではなかったことも。

海も好きなので。

 

 

Q:なるほどなるほど。名前繋がり、面白いっすね。正直、住んでみて、嫌なところってありませんか?

特にありませんよ。ときどき、ひょっこりと出てくる虫ですら、愛おしいです。

 

 

Q:伊豆に長く住んでいる千葉さんも、新しく伊豆で暮らし始めた佐藤さん、どちらも伊豆の風景では天城あたりが好きなんですね。千葉さんにお伺いしたいんですが、伊豆でトレイルランニングの大会を行っている理由はどうしてなんでしょう?

自然の条件も、もちろんですが、ここの出身だからという理由もありますよ。

実は文化を作っていきたいんです。

トレイルランニングだけでなく、自然と生きていくことができるという文化を作ることをしていきたいと考えています。

トレイルの大会は数多くの支えてくれるボランティアスタッフの力で成り立っています。

コースの整備を一緒に作っていったり、大会運営のサポートもたくさんの方々の協力が不可欠です。

そういった地域で関わってくださる方から、レースの参加者の方まで、

たくさんの人と文化を作り上げていけたら、嬉しいですね。

地元ボランティアへの事前説明会の様子。地域と一体になって大会を作りあげています。(SOTOE提供)

地元ボランティアへの事前説明会の様子。地域と一体になって大会を作りあげています。(SOTOE提供)

ボランティアの方が一緒に力を合わせることで、新しい出会いの場所にもなっています。(SOTOE提供)

Q:素晴らしい!!千葉さんの関わるトレイルの大会が人気なのもわかる気がします。そういった思想や理念が共感を生んでいるんでしょうね。地域との関わりや、関係人口の創出については今後の策というか、目指している姿とかはあるんでしょうか?

トレイルクラブを作り、地域の方はもちろんですが、自治体や地域の枠や垣根を超えて、

トレイルだけでなく、自然や文化を未来に繋いでいける仕組みをライフワークとしてやっていきたいですね。

 

 

Q:他にも聞きたいことがあるんですが。トレイルランニングって、けっこうガチ感ありますよね。もう少し気軽なというか、ファミリーやキッズが参加できるトレイルとかってありますか?

ありますよ。毎月グループランをやっています。ランニング初心者の参加者もいます。

あと、子供向けのナイトトレイルランニングというのもやったことがあり、

夜に山で走っているときに野生動物を見たりすると、

それだけですごく思い出に残る体験になりますね。

トレイルランナーだけじゃなくて、ハイカーの方へのサービスとして、

登山道の入り口まで送ることもしているので、

伊豆の自然を楽しみたい方はぜひともいらしていただきたいですね。

 

キッズ向けトレイルラン。普段の生活ではなかなか行く機会の少ない自然の中を走るので、地元のこどもたちにも人気。(SOTOE提供)

こどもたちと一緒に走る千葉さん。(SOTOE提供)

Q:最後に千葉さん、伊豆の魅力をまとめていただけますか?

先ほども話しましたが、自然が豊かなこと、そして、都会からの距離感と、ちょうどいい田舎なことが魅力ですね。

 

 

お話を伺った千葉さんと佐藤さんのプロフィール

株式会社ソトエ 代表取締役プロデューサー 千葉達雄さん

1975年静岡県生まれ。5歳から高校卒業までを伊豆市(当時は修善寺町)で過ごす。

高校・大学時代は陸上競技部に所属し、主に4×400mリレーのメンバーとして、全日本インカレ等にも出場。

沼津観光協会や都内でのセールスプロモーションに携わった後、

「新しい伊豆の旅の創造」をコンセプトに2013年より「伊豆トレイルジャーニー(ITJ)」を企画・プロデュース。

また同年より、株式会社ソトエを設立し、代表取締役プロデューサーに就任。

https://www.sotoe.co.jp/

 

 

株式会社ソトエ 佐藤暖加さん

1988年生まれ、神奈川県横浜市出身。

結婚を機に、半農半Xや地方移住を検討し始め、2023年3月に夫婦で伊豆市へ移住。

伊豆市の山、森など自然に触れられる仕事がしたいと株式会社ソトエに就職。

休日は家庭菜園に勤しむ傍ら、ITJコースを歩いたり、海に潜ったり、伊豆のアウトドアを満喫中。

 


編集後記

もともと伊豆が持っていた豊かな自然や都会からの距離感。

そういったポテンシャルをトレイルランニングという形を使って、

いままで伊豆にはあまり興味がなかった層を巻き込んでいく。

それって、自然との共生していけるひとつの形を未来へと引き継いでいくための

上手な仕組みを作られているんだなと感じました。

文化として根付かせるにはまだまだたくさんの挑戦が必要だと思いますが、

千葉さんの独特な、あの飄々とした感じだと、いつの間にか、しれーっと文化になっているような気がします。

 

 

写真・文:武智一雄

伊豆市の隣の伊東市在住のフォトグラファーで海の環境保全を目的とする

一般社団法人サバーソニック&アジロックフェスティバルの提督(代表理事)。

伊豆市には親戚や友人も多く、幼少期から馴染みが深く、好きな場所でした。

また、修善寺を2拠点生活の拠点としていたので、伊豆の内側と外側の両方の視点からインタビューを目指しています。

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